仕事柄たくさんの人の話を聴きます。
それぞれの物語があり、
ときには八方塞がりに感じて悩んでいることもあります。
その人の立場に立って、
その人の目を通してみると、
そう感じるのも無理はない、というよりむしろ、
行き詰りを感じる他ないだろう、という場合もあります。
そんなときは、
その苦しみを理解し、側にたたずみながら、
その人がべつの視点が持てるようになるまで
信頼して待つことになります。
そんなときは、釈迦の言う
「私たちの世界は自分の思い通りにならないことばかりである」
を思い出します。
さて、
人間であるということは、
制限を抱えた無限の存在である、ということ。
制限を感じては新しい視点を獲得してより成長する。
そしてより大きな制限に到達し、またそれを超える視点を獲得し成長する。
その繰り返し。そして「無限」という性質を感得し始めます。
だから『制限』にぶつかることは避けられない。
この次元で暮らす人間である限り。
けれども当初「苦しみ」でしかなかった『制限』は、
「成長のきっかけ」へとその意味合いを変えていく。
そして、制限を抱えた無限の存在だと理解が進みます。
このように人間であることには、苦しさも喜びも伴います。
「制限」の中にいる時は無情さ、非情さに打ちのめされることもあります。
苦しんでいる人のそばにいて辛くなることもあるでしょう。
そんな時には歌を聴いて、
ひと息ついてまた歩きます。
雨上がりの空を見ていた 通り過ぎてゆく人の中で
悲しみは絶えないから 小さな幸せに 気づかないんだろう
:
自分のこと大切にして 誰れかのこと そっと思うみたいに
切ないとき ひとりでいないで 遠く 遠く離れていかないで
疑うより信じていたい たとえ心の傷はいえなくても
なくしたもの探しにいこう いつか いつの日か見つかるはず
小田和正「たしかなこと」
※カバーヴァージョンです。